何も成果を出せなかった僕は
あの日部屋に閉じ込められたまま
長い間そこで過ごしてしまった。
扉は開かない
部屋から出られない
だが僕は一度だって真剣に部屋から出ようと思っただろうか
「思ったことはない」
そう思いたかったが本当は出たかった。
自分が何もできないことを認めたくなかったから
部屋から出られないことに酔っているふりをしていた。 ほんとうは
ほんとうに
出られなかったのだ。
何をどうしても、もがいても、叫んでも、出られなかったのだ。
助けてくれ!
全力で叫んだ声はか細く小さくて
開けてくれ!
ふるった拳は弱く細く脆かった。
何もしないことが僕のできることだった。
開かない窓ガラスに張り付いて
向かいのマンションの隙間から見える空を
今日も仰いだ。
# by trash-s | 2017-10-11 01:18 | 夢日記