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1849.好きな味

本は酒に似ている。
色々な種類の酒がある。
人によって趣味が分かれる。
読みやすい本を気晴らしに読むように、
安い酒を手っ取り早い楽しさを手に入れる為に好む人。
わざわざ難しい本を読んで蘊蓄にするように、
高い酒をもったいつけて時間をかけて飲むのを楽しみにする人。

中高生向けの小説や漫画などはジュースなのかもしれない。
たくさん売れるし、なにより甘くて美味しい。
誰でも飲めて、新しいものがたくさん発売される。
飽きられるのが早いものもある。
みんなが飲めるから、みんな味にはうるさくなっていく。

自分の好きな味に出会えることは幸せなことだ。
毎日飲んでも飽きないジュースや、
自分の時間を満ち足りたものにしてくれる酒を持つのは
いい趣味だと思う。

本は飲み物でないので摂取しても無くならない。
書店から姿を消しても、復刻版や電子書籍などで手に入れる機会もできる。
そんなとき、もう読んでいる本でも買ってしまうことがある。
戸棚に飾り、年代を追ってうっとりしてしまったら、
もう年寄りなのかもしれない。

by trash-s | 2012-04-11 14:18 | 形而上のセカイ