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1867.僕らのレールはもう終わってしまった

同窓会のはがきを破って捨てる。
彼女には、「いいの?」と聞かれたが「いいんだ」と答える。
今更幼い頃に出会った人間がどんな人間になっているか興味はない。
毎日が自転車に乗っているような人間なら、
興味があっても行きたがらないだろう。
どこへ行くにも車に乗っていられるような安定した人間だけが
集まってくる。
そこに汗だくになって俺がやってくる。
来なければ良かったと俺は思い、
自転車に乗ってくるような奴を出迎える準備もしてなかった奴らが
初めて同窓会の意味を知る。
そのことを俺はもう知っている。
大学を出て5年も経てば、自分が何にもなれなかったことに気づくことができた。
本当の自分を探して転職に明け暮れた友人もいた。
そいつはまだ今の会社の不満を言っている。
次の転職も近いだろう。
僕らはもう人生をゴールしてしまっていた。
僕らが学んだレールはとうに終わってしまっていた。
正しいレールに乗れた奴はほんの僅かで、
親や世間が言うような問題をこなしてきたほとんどの人間は
人生の車庫に入って埃をかぶっている。

「ねぇ、わたしみたいな頭の悪い女と付き合ってるから同窓会に行きたくないの?」
と彼女が言った。
俺は彼女がそんなことを言うなんて思ってもみなかった。
そんなこと微塵も思わなかった、と言うと彼女は良かった、と言って笑う。

俺は電車を降りよう。
見栄を捨て、恥も捨て、そうしたら新しいレールが見つかるだろう。

by trash-s | 2012-05-04 23:58