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1893.相合い傘の夢

突然空が暗くなったと思ったら、窓に強く当たる水の音。
ああ、雨か。
僕は今日、授業が少なかったから当たらなかった。
夕方に雨が降るかもしれないと聞いて傘まで持って学校に行ったが、
無駄な荷物を持っていって帰っただけだった。
しばらくすると家のチャイムを乱暴に鳴らす音がした。
この鳴らし方は久美姉さんだ。
鳴らし方に癖があるんじゃなくて、
鳴らしても出ない僕のために久美姉さんが考えた方法だ。
「あんた、私だって知ってて出なかったら後で承知しないから。」
僕はまんまとしてやられた、というか、
下手な嘘でやり過ごしていた報いなのだった。
この呼び出しにはかならず出なきゃなんない。

僕はそのまま出ようとして、一旦戻り、バスルームに入る。
大きめのバスタオルを持って、ドアを開けた。
久美姉さんがびしょびしょになって立っていた。
「……降られた。」
へぇ、久美姉さん、こんな雨の日に告白ですか。
「…そっちのフラレタじゃないわよ、このばかちんが。
さっさとそのタオルよこしなさいよ。」
僕は玄関に久美姉さんを入れて、タオルを渡す。
なんかジャージとか持ってきた方がいいかな。
久美姉さん、傘持ってかなかったんですか?
「…あんたが持ってたからいいか、って思ってたのに…。
勝手に帰ったでしょ。むかつく。」
……僕ぁ一体なんなんですか。
てか久美姉さん僕と相合い傘したかったんですか。
「なわけないでしょ。
強奪して帰ろうと思ってたら逃げられたってハナシよ。」

by trash-s | 2012-06-01 23:38 | 久美姉さん