人気ブログランキング |

1934.去年の冬の話だけどね

今日はちょっと本当のことを書いてみようか。

僕は去年の冬、ついに貯金を使い果たしてホームレスになったんだ。
その時僕は、どこかでひねって痛む足を引きずりながら
冷たくなってきた街の風に耐えていたんだ。
お腹が空いてた。
どうにもならないものを体だけ移動して来ただけだから、
当然持つものも何も持ってなかった。

「食べないかね?」

目の前にたこ焼きを出して来た人がいた。
それが天堂雅彦先生だった。
どっかの大学の偉い先生だって言ってたけど、
僕はたこ焼きに目を奪われていて、何も覚えてない。
天堂先生は、タモリみたいにこちらから目の見えない
サングラスをかけていた。
体も歳の割には大きい方だろうか。
見るからに怪しいけど、その時の僕は何も感じなかった。

天堂先生は僕が食べ終わると板を差し出した。
何ですか、これ。
「ノートパソコンだよ。
これに君の日記を付けてくれないか。」
天堂先生はページを開いて僕に見せた。
嘘日記ってなんですか。
「タイトルは君が決めていい。」
僕は少し考えて設定画面を開く。
そして
セカイであそべ!と書いた。

by trash-s | 2012-07-09 00:08 | 事の始め