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1973.その傷の責任を僕が取れないことは分かってた

父には学生のとき三歳年下の彼女がいて、
それは母とは違う女性だった。
父がその件についてどんな責任を取ったのか
知りたかったが、聞けなかった。

僕は高校生で付き合ってた彼女に
「責任とってよ」と言われてた。
清い交際だった。
手をつないで公園を歩き、一緒のペットボトルの
ジュースを飲んだ、というそれだけの関係。
それでも責任は問われるのだ。
問われないという理由はないのだ。
僕は彼女にも何らかの責任を負わなきゃならないし、
きっと自分の短い人生の一時期にも何らかの責任感を
持たなければならなかったんだろう。
どうしたらいいのか、わからなかった。
どうしたら上手くいかなかったことの
責任を取れるのかわからなかった。

花屋に行って、名前の知らない花を買った。
学校の帰りで、僕は鞄を持って少しシャツの胸元を緩めていた。
花屋のむっとした売り場に少し気持ち悪くなりながら外に出た。
彼女と公園で待ち合わせてて、夕方六時に暗い顔をした彼女がやってきた。

「ごめんね。」
って言って花を渡した。
なんか彼女はたくさんのことを言ってたけど覚えてない。
最後に僕はもう一度「ごめんね」って言ったのは覚えてる。

by trash-s | 2012-08-20 00:28 | ある日の出来事