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2125.遠くの出来事

緒十からメールがあった。
(餓死するから何か食べ物を買ってきてほしい)
(できればカツ重弁当がいい、それから飲み物はアサイージュースがいい)
(デザートはオールドファッションドーナツで)
やたら指定の細かい餓鬼だった。
勤くんの分はいいのだろうか。
気になったので先ほどの指定におにぎりを二つほど足した。

着いてみると特に変わった様子はなかった。
勤くんが徹夜仕事の果てに緒十の食事を準備せずに眠ってしまったらしい。
僕は布団に入ったままの緒十に注文の品と、おにぎりのことを伝えた。
「ありがと」
緒十は枕を横に寄せ、どっからか引っ張り出したランチョンマットに
弁当を置いて食べ始めた。
器用に足の指でスマートフォンを操作する。
お前行儀悪すぎるぞ。
僕が言うと緒十はジロリとこっちを見た。
反抗的に足の親指でスマートフォンを弾く。
一応こっちの言うことは聞くつもりらしい。
「…なんか話してよ。つまらないから」
そうきたか。
僕は今日ニュースで見た話題を二三話す。
タレントの嘘が大きく取り上げられていることを話すと
「嘘はついたことすら忘れるくらいつき通さないとダメだね。
今の世の中はどこかで誰かが見てるからさ」と言った。

by trash-s | 2016-02-01 12:28 | 勤と緒十