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2126.この世の始まりの時、神は孤独だった

その科学者には7人の兄弟がいた。
末子が7歳くらいまでは一緒に育ったが、内双子だった二人が首をつって死んだ。
そのことが原因か一人が眠れなくなって食べられなくなってやがて衰弱死した。
3年くらい平穏な日々が続いた後、一番上の子が交通事故で死んだ。
二十歳の誕生日にピストル自殺をしたのが一人、
ストーカーに殺されたのが一人、
ガンで死んだものが一人、これで全部。
両親は次第に壊れ発狂した。
母は病院にいるが、それ以前に蒸発した父は行方が知れない。
科学者は孤独だった。
家族を作ろうと異性と交際するも、生い立ちの不気味さや
そうして作られた科学者自身の性格が障害となった。
もはや手遅れ、そう考えた科学者は、人間の輪から外れ、
自分だけの個を作ろうと考えた。

そうして7人の人工生命体が誕生した。
まだ科学者の問いに、光で応答する程度のINOUTしかできない生き物だった。
そのコアを科学者は「モザイク」と名付け、大切にした。

by trash-s | 2016-02-02 18:36 | モザイク